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いくつめの箱かな? [DOOL]

年輩の方の「残り少ない人生だから有意義に生きようと思って」という言葉はとても奥が深い。
というよりも、その方の人生がかいま見えるような言葉だと思う。
有意義に生きた方が良いのは若い人も子どもも同じだが、
いろいろな意味で余裕ができて、自分の人生を生きることができるのは、
ある程度年を重ねてきたからだろう。
勿論それは、かりそめであろうと平和で、餓死する人などほとんどいない、
今の日本だからできることであるのだけれど。

と、こんな大仰なことを書いたのは、年輩と呼ばれるような年齢にはわずかに遠い私でも、
似たような気持ちを感じるようになっているからである。
貧乏ではなかったけれど、昔気質の母から質素を旨として育てられ、
そのくせ、お嬢育ちの母からは贅沢な世界もかいま見せられ、
所詮は違う世界のこととあきらめながら、相応な暮らしを続けてきた。
世の中ではバブルと呼ばれる時代に就職したが、
初任給の安い公務員(民間に就職した多くの友人たちが、倍のお給料を貰っていた)になった私は、バブルのことも、バブルがはじけたことも知らなかった。
姓が変わっても、そんな生活は続いた。

それが変わったのは、あることに気付いたからである。
人間五十年、下天のうちを比ぶれば夢幻の如くなり
信長の好きだった謡曲『敦盛』の一節である。
小学5年の時、子ども向けとはいえちゃんとした歴史小説で信長を読んだ私は、
信長の人物像と、この言葉に強く惹かれた。
そして、気付いてみると、人生50年へのカウントダウンは既に始まっていたのだった。
その時、思った。
我慢して、あきらめてばかりいなくても、もういいんじゃないだろうか。

そうして、去年、私は封印していた箱の1つを開けて、テディベアを買った。
そして、今年、まだ年は明けたばかりというのに、
もう1つ、箱を開けたのである。

-誤解のなきように。 10万単位のブランドバッグを当たり前のように持つ人がたくさんいる現代、 テディベアがものすごく高価な物だというわけではありません。 ただ、子どもの頃自分にかけた戒めが、とてもとても強かっただけのことです。

ただの言い訳です。

どんな箱を開けたのかは、また後日。


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コメント 2

spur

御無沙汰しております。
ログインも投稿も 拝読することさえままならないまま、長く経ちました・・
久々にnatuさんの文章に触れる事ができ、嬉しいです。
どうぞ自由な箱をどんどんお手に取り、開けて
人生に更なる彩りを!
ココロの贅沢、ほんとの贅沢、という感じが致します(*^o^*)

この投稿がクラッシュせずに無事届く事を願って。(そねっとさん頼みます)
by spur (2006-01-29 01:59) 

natu

spurさん、ご無沙汰しております。
お元気そうで良かった☆
最近、なかなかページが開きませんが、めげずにまた遊びに来て下さいませ。

ありがとうございます。そう言っていただけると勇気が出ます。
子どもの頃の自分に、もういいんだよ、と言ってあげようと思うのです。
テディベアの箱を開けたら、思わぬ世界が広がり、
spurさん始めたくさんの方とお知り合いになれました。
次の箱を開けることができたのも、ベアの箱を開けたからです。
開けて良かったとつくづく感じています。
中身はもう少し待っていて下さいね~☆
by natu (2006-01-30 00:17) 

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