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「春霞」 その2 [創作]

先日UPしたお話の続きになります。

那津の輿入れが決まりました。
相手は西の国の嫡男、雅景。15歳になる那津よりも5歳年上で、那津の長兄と同じ年です。
当然、これは政略結婚でした。結婚によって縁戚関係を結び、同盟を結ぶのです。
先年、長兄の元へ雅景の母方の従姉妹(西の国は雅景がただ一人の子であったため、従姉妹が養女となりました)が嫁いできています。
替わりに今度は那津が雅景の元へ嫁ぎます。
こうして二国間の絆を強固なものにしてゆくのです。
-春来れば ひとりこの地を 離れゆく
          重き荷物を 肩に背負ひて- 珠瞳
那津はただお嫁に行くのではありません。
両国との関係が長く続くよう調整役となり、また、スパイとして相手国の情報を入手して父に知らせるという大事な役目があるのです。
西の国との同盟がうまくいくかどうかは、那津の肩にかかっているのでした。
もちろん不安はありますが、小さな頃から自分の立場を自覚していた那津は、この輿入れの話を当たり前のように受け入れたのでした。
次に桜が咲いた時、那津は西の国へと嫁ぎます。


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コメント 3

櫻丸

 その頃、僕は、兄と、主に弟と、野山を駆け巡り、馬の乗り方を覚え、樹から落ち、助けた人を足蹴にして遊んでおりました。まだまだ子供であった。
 噂の姫のお輿入れ。城も家の中も浮き足立って、「どんなお方か」と噂する。なのに、その輿入れ当日、僕ときたら。。。。。
by 櫻丸 (2005-07-12 18:42) 

natu

櫻へ
 そうよね、確か当日弟クンは別れを惜しんでくれたのに、きみはちらと顔を見せただけ。一体何をしていたの?
   by那津
by natu (2005-07-13 08:42) 

櫻丸

 聞きたいの? 
 本当に聞きたいの? 
 絶対に聞きたいの?
 う~ん、どうしようかな~。

 やっぱ教えてあげられない。

―姫逗留のお蔭で、いつもより美味しそうな御膳に並ぶお料理を、弟と二人で盗み食いして叱られて、お兄ちゃんに柱に縛られてたなんて、口が裂けたって云えないよ。。。(>_<)
by 櫻丸 (2005-07-13 11:11) 

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